<キャリブレーションについて>

キャリブレーションなんて後回し、と決め付ける前に・・・

SpyderStudioパッケージ写真
SpyderStudioパッケージ写真
SpyderStudioセット
SpyderStudioセット

SpyderStudio セット価格

 ¥77,760(8%消費税込)

 

*SpyderStudioの主なセット内容

・Spyder5ellite(モニターキャリブレーター)

・SpyderPrint(プリンターキャリブレーター)

・SpyderCube(RAW現像時に使うグレーバランスキューブ)  

 

今やキャリブレーターはデジタルプロ写真の編集には欠かせないツールとなりました。様々なキャリブレーターが市場に出回っていますが、当社がおすすめするキャリブレーションのツールは「SpyderStudio」(モニターとプリンターのキャリブレーターセット)です。

Spyder5モニターキャリブレーションは、ノートパソコンやi-Macのようなディスプレイ一体型にも使用可能です。

 

Spyder5プリンターキャリブレーターは市販のプリンターならほとんど使用可能ですが、使用条件としてはphotoshop(エレメンツを除く)がインストールされたパソコンであることと、プリンター側に関してはカラーマネジメントをオフにできるものである事の2つになります。

 

また、使用できないプリンターもあります。

 

プロ用プリンタ、例えばエプソンのクリスタリオシリーズや銀塩ラボ機には原則的には使用不可です(一部使用可能機種もありますので詳細はお問合せ下さい)。

 

なお、当社推薦の新世代昇華型フォトプリンタシリーズ「DS820」「DS620」「DS40」「DS80」には、使用可能です。

 

このSpyder5のモニターとプリンターキャリブレーションセットを使用すれば、モニターの色とプリンター出力色をほぼ同調させられます。使い方は(分ってしまえば)簡単で、手間いらずです。

外撮りの集合、室内スナップ、写場撮影ポートレイト、物撮写真など、撮影条件が多様なのが撮影業。このSpyder5を使えば撮影データに近い色がお使いのモニターの性能なりに表示され、それを元にPhotoShopで画像補正でき、自社プリンターをお持ちの方は更にその補正後の色をプリントにまで持ち越せる、という訳です(そのプリンターの性能以上の色は出ないという条件はありますが)。

 

ここで少し話がそれますが、Spyder5は画像をキレイにするツールとはちょっと意味合いが違います。

 

画像の表示ポテンシャルは引き上げますし、色も合わせてきますが、この一連は、もともとの撮影データに100%依存しています。元が悪いと悪いまま表示されるだけです。ですから照明の色温度設定が不適切であったり、カメラ内部の設定(特にホワイトバランス)が撮影時不備だったりすると、後で「きれいな画像」にするのは難しくなります。

 

きれいなデジタル写真をプリントしたかったらきれいな撮影をすることが第一。そしてその後パソコンでの画像補正を駆使してきれいな画像を作りあげることです。この過程でのみ、Spyderシリーズは、キャリブレーターは役に立つものです。キャリブレーションは色確認のためのツールであって、打ち出の小槌ではないのです。

 

ある意味、変な色で撮影してしまったならその変な色なりに画面に表示され、変な色でプリントまでされるのが、キャリブレーション的にもデジタル的にも正しいことです。

 

まずい写真データを、プリンター側や外注出力先でキレイに自動でお任せで色補正してしまう今までのやり口は、プロの世界ではハッキリ言って話が違うと当社は考えています。デジタルフォト工程の特徴は「一貫性」です。撮影から出力までの過程で関与する数々のデバイス性能を揃って底上げし、しかも責任者が当事者意識を持って一貫して取り組み、ツールも正しく使用しないと正しい結果(=きれいな画像)を得るのは難しくなります、とうわけです。

 

さてここで話を元に戻して、素朴な疑問ですがそもそもキャリブレーションってなんでしょう?

キャリブレートという英語は「測定する」という意味です。測定するということの本質は、よく分からないものや異物が目前にあって、その実態を把握するため、もしくは他の人にその特徴を伝えるため測る、という事です。

 

ここ10年ほどのデジタル画像にまつわる悩み。

それはカメラ・パソコン・モニターなどの異なるデバイス間で起こる色表示の差異です。

 

たとえばまじりっけなしの赤を撮ったデジカメ画像があっても、パソコンモニターだとあずき色に見え、プリントすると朱色がかってみえたりなどの現象が頻繁に発生しました。

 

そこでまずはモニターキャリブレーションというものが考えられました。

 

モニターはデフォルト(工場出荷状態)では自分の液晶性能で画像を光らせて(映らせて)います。

 

しかしどんな高級機であっても毎日の使用で必ず液晶性能が落ちていきます。また、必ずパソコンに接続して使うものなので、パソコン側の画像出力性能に一方的に依存しています。

パソコン側に何らかの問題、例えばOSの色管理機能が内部で破損した(実は結構あるトラブルです)、ビデオカード(又はグラフィックボードとも。どちらもパソコンのパーツの名称で画像・映像出力をつかさどるデバイス)が不調など、何かしら問題があれば色が狂います。

 

しかし一番大きく、しかもありがちな問題は、パソコン側(正確にはOS側)は正しいと(勝手に)思っている色をモニターに送っており、モニター側はまた自分の液晶性能なりに正しいと思ってる色で勝手に表示している、という「勝手な2重構造」が当たり前になっている、という点です。

 

この、異なる2つのデバイスの間で共通伝達手段が無いに等しい状態というのは、「だろう運転」する2台の車や、通訳を介さず勝手にしゃべってる国籍の違う人たちなどと同じ状況です。

 

これでは事故や誤解がない方が不思議というものです。

 

このギャップを補正し、異なる2つの仲を取り持つのがモニターキャリブレーションです。

Spyder5のモニターキャリブレーションの場合、仕組みは以下のようになっています。

まずSpyderのソフト側で決まった色を64色、15cm四方の正方形カラーパッチの形で、パソコンを通してモニターに強制表示させます。そこに別途モニターに取り付けたSpyderセンサー(光と色を正確に読み取る装置)でその64色が実際はどう表現されているのかを読み取ります。

 

その読み取った色情報は数字で表され、Spyderのソフト側へフィードバックされます。ソフト側では自分で表示を命令した色の元々の情報と、センサー側で拾った実際の表示色情報を比較し、その差を埋める計算式を自動で算出し、それを「モニタープロファイル」という形でパソコンのハードディスク内に実装させます。これでパソコン、モニターという2つの異なるデバイス間にいわば「色の通訳」が介在するようになり、いつも正しい色が表示されるようになります。

 

この働きにより、次からはパソコン起動時に自動でそのモニタープロイファイルが適用されるようになり、正しい色で見ることが可能になる、と、図式的な説明ですがこういうことです。

 

ノートパソコンやi-Macなどのディスプレイ一体型パソコンでも同じことが言えます。外から見たら一体型でも、内ではディスプレイとパソコンの心臓部は必ず別々のパーツですからSpyderでモニターキャリブレーションは行えます。また、Spyderのソフトはインストール先のパソコン台数上限がありません。つまりパソコンが何台あっても、また、今後いくら追加しても1台のSpyderで全モニターを同じようにキャリブレーションできます。

 

プリンターキャリブレーションに関しては、もうおわかりのようにモニターキャリブレーションにおける「モニター」が「プリンター」に変わるだけで、行う処理内容は同じです(使うツールは違いますが同じようなことを今度はプリンターとパソコンの間で処理するわけです)。

 

さて、キャリブレーションに関してもうひとつ。

最近良く聞く言葉に「プロファイル」というものがあります。

これは「異なる規格のものを橋渡しする役目のもの」という意味です。一言でいえば「触媒」「媒介物」「仲人(?)」です。

 

このプロファイルがはっきり申し上げてデジタルに関する処理一連の中で一番大事です。プロファイルを制すればデジタルフォトの処理工程の基本はもう押さえたようなものです。

 

プロファイルは目には見えないですが、実体は単なる計算式です。キャリブレーションが大事とよく言われますが、このことの本当の意味はモニターにせよプリンターにせよ、自分のデバイスに合ったできるだけ高性能なプロファイルを獲得することが大切、ということです。

 

キャリブレーションはそうしたプロファイルを自分で作るための手段にすぎません。

 

ですからSpyder5シリーズは正確に言えば「キャリブレーター」というより、「プロファイル自作デバイス」と呼ぶのがふさわしいのです。

それはモニターとプリントの色を合わせるという意味の「カラーマッチング」だけでなく、プロファイルを自作することによってその上位概念である、撮影から出力まで正しい色を保つという「カラーマネジメント」を補完するツールなんです。

 

さらに、Spyderなら単に色を合わせるだけでなく、デフォルトのモニターの色とプリンターの色の解像度を、共に向上させ、マックスまでキレイに整えた上で色を合わせてきます。Spyderでキャリブレートを実施した後のディスプレイ画面やプリント物は、実施前にくらべてキレイなっています。

これもプロファイルの力なのです。

 

また、これも大事な点なのですが、「ツールを正しく使う」ことが非常に大切になってきます。Spyderも当然、例外ではありません。

 

プロ用機材にありがちなのは説明書が淡白だったり、なじみのないカタカナ横文字(「説明」と言えばいいのに「チュートリアル」などと称してみたり…等々)が多用されていたり、日本語としては形容詞が多く、回りくどく難解な文章だったりということがよくあります。これが正しく賢い用具の使い方を誤らせているのです。

 

そうした説明書の多くは英語のカタ~い直訳です。これでは日本人としてツールの使い方イメージが膨らまないのも道理です。

 

Spyderシリーズもアメリカの製品です。日本語説明書は付属していますし、ソフトも日本語版です。国内サポートスタッフもいます。しかし、はっきり申し上げて説明書は、依然としてわかりにくいです。

特に営業写真館の皆様にとってはそのツールが実務にどれだけ使えるのかよくわからなかったり、キャリブレーションに費用と時間を割く位なら他に大事な事がある、もしくは色管理は外注先なりプロ用プリンターの機能に任せる方がいっそ楽、といった感覚の方が多くなるのではないでしょうか。

それでキャリブレーターの導入に緊急性は感じない、となる訳です。

 

しかし自店独自技術の追及はビジネス上、絶対必要だと当社では信じておりますし、ましてやデジタル時代においてカラーマネジメントは写真業の根幹をなす技術です。

 

自社プリントをされているお店ならば画像加工から出力までの一貫した色管理の追及(単なる「色出し」とは違う)が、Spyderを使って容易になりますし、出力品質(写真の解像度)も上がるので必須です。

 

また、プロラボに出力依頼されている方でも、これからはせめて自分のモニターは自分でキャリブレートし、モニタープロファイルを自作できるスキルがないと、プロラボにも的確な指示ができず、結局は総合的な「写真館」でなく、単なる「撮影屋」「シャッター屋」になってしまいかねません。

 

偉そうに書いてまいりましたが、Spyderはツールとしては優秀で、かなり高度な使い方もできます。

価格の安さ(セットで8%税込¥77,760)もあって、プロ業界に不可欠なツールとしてこれからも広く普及するのではと当社では考えています。

 

とすれば正しい使い方を説明できるスキルが販売側(当社)には必要です。使用法のわかりにくさを克服するため当社ではSpyderシリーズを実機購入し、使い方を研究して参りました。

 

・キャリブレーションって何だかよくわからない

・キャリブレーターが必要だって話だけど

 チンプンカンプンだ

・買ってはみたけど使い方が分からないので

 未使用のままなんだ

 

こうした方がいらっしゃるなら、当社にSpyderのデモンストレーションをさせて下さい。その上でお使いのパソコンとモニター、プリンターでのキャリブレーション効果を実感してみてください。

 

この工程が一番大事です。

 

なぜなら貴店にとっては自店の環境以上のものはないからです。セミナーや講習会で他店事例を聞いて理論は分かったつもりになっても、実際の使用実践はまったくわけが分からない、というのはそのせいです。すでにSpyderをお持ちの方で使用方法がわからない方にも簡潔に説明いたします。

 

以上、長くなりましたが

よろしくお願いいたします。