<Web時代の写真館営業戦略とは②>

■手段と目的を混同せず、サイトのコンセプトを

      決めてから手段の選定に入ろう。

さて、商材となる写真が用意できたとして、具体的なウェブサイト構築法を説明してみます(あくまで当社が良いと考える手法ですよ)。

 

まず、独自ドメインによる自店ホームページをCMS(後述します)で自分で構築し、その中の1コンテンツとして、 写真(商品)を関係者に閲覧させるページを作成する(あくまで閲覧だけ。販売はネットを通さず、直接注文袋で行います)。

以上はまだ自店サイトをもっていない方向けの方法です。既にお持ちの方は写真閲覧ページのみ新規作成して自サイトにリンクさせます。

これが当社提案型の特徴です。特徴とも言えないかもしれませんが、これだけなんです。

 

今まで偉そうに述べてきたのに「な~んだ」というオチかもしれませんね。HPで商売気丸出しにして、品位が無いんじゃないかとか、泥くさいやり方だとか。でも、わたしはいろんな写真館のサイト/ブログを毎日拝見していますが、物販まで踏み込んで運営しているサイト、もしくは物販までいかずとも自店独自のコンテンツが含まれているサイトって、営業写真館ではなかなか無いんです(ネットプリントやフォトブック受注系は除く)。

キレイなデザインのホームページはたくさんありますし、撮影したお客様の写真を毎回アップロードすることでブログの更新を熱心にされている方もいらっしゃいます。写真業だから当然かもしれません。でもデザインや頻繁な更新も大切ですが、それだけでなく、そのHPから直接利益を得られ、かつ、その利益が集客にもなり得る、という要素もぜひ併せて考えたいと思ってるんです。

 

そう、いつだって商売、つまり利潤の追求が目的です。HPはその手段。ここは履き違えないようにしたいものです。でないと下手したらHP構築にまつわる方法論・技術論に拘泥するあまり、目的が見えづらくなり、挙句にはサイト運営のモチベーションが下がってしまいかねません。こうした話をすると「そんな理屈は分かってる」という方も多いのですが、ホームページの中に利益を生むポイントが明確に埋め込まれている方、営利戦略をもってサイト運営されているなと感じる方は、写真業界ではほとんど見かけないのが正直なところです。やろうとしてもイメージがつかめないのかも知れませんね。

 

当社の考えとしては、展示写真の閲覧→販売というのは営業写真館にとって従来からある王道の販売方法ですから、その方法論にもうひとつ、HP経由という「手段」を加えるということですね。他にも色んなお考えがあるかとは思いますし、当社としてももう少しネタやワザを増やしたいところではありますが、実績も出ているし、今のところこの手法が売上アップに一番結び付けやすいパターンだと思っています。

■「CMS」という名の大きな武器!

閑話休題。先ほどCMSという言葉を出しましたが、これは「Contents Management System」の頭文字で、近年ウェブ業界で大きな盛り上がりを見せている新しい潮流のことです。CMSとはウェブサイトの内容を、画面(ブラウザ)上での操作を通じて即座に更新できるシステムの総称です。具体的にはネットにつながったパソコンから自HPの編集管理画面にログインし、画面を見ながらその場でマウスドラッグ&クリックと、文章入力の操作をするのみでサイトが完成します。CMSとは見たまま直感的な操作でHPの更新・作成を可能にする、それ以前の手法では考えられないほど簡便で、夢のような技術なんです。更新の反映だってすぐその場で確認できます。身近な例で言えばブログサービスやmixiなどもCMSの一種ですから、サイト作成未経験の方でもカンタンに操作できるイメージがわくのでは、と思います。CMSサービスを比較し、まとめたサイトもあります。

 

要はCMSとは、サービスの中にあらかじめ用意されている「ホームページのひな形」を、マウスとキーボードの操作で自分仕様に変更していくだけなんです。サイトを構築する上でHTMLやらCSSといった難解な専門言語の勉強も、ホームページ作成ソフトの購入・習熟も、もはや不要です。

 

さらにCMSが良いのは低価格でホームページが構築できる点です。自分で作ればいいのでCMS会社にシステム使用料として最低限の支払いで済みます。そしてその多くが独自ドメインや大容量サーバーなどの機能を標準的に備えています。また、お試し版として無料版CMSを用意している会社も多いです。いづれにせよこちらで事前に用意するのはパソコン1台とインターネット環境だけ。申し込み終了時にはもう自分のホームページスペースが準備完了しています。CMSの利点は旧来のサイト作成に比較して圧倒的に早いサイト完成スピードでもあるのです。

 

「ホームページとは誰か業者に作ってもらうもの」、「自分でサイト構築なんかできっこない」・・・こんな今まで何となく抱いてきたかもしれないこうした苦手意識とは、もうオサラバです。CMSのおかげでHP作成過程は、失敗しようがないものになっているのです。

優秀なCMSのひとつに例えばこのようなものがあります。「Jimdo(ジンドゥ)」という会社です。

 (このホームページ全体もJimdoで作っています。デザインがダサ

   いのは制作者のセンスが悪いためで、Jimdoのせいではありま

    せん・・・笑)

■自店主導のweb環境を獲得する

CMSに関する話をもう少し続けます。

大事な点であるサイトの費用ですが、従来の方式ですとHPを作成するために専門業者に依頼する必要があり、その価格は人件費込みでさまざまなオプションが付属し、驚くほど高値でした。しかしそれでもHPを作って商売が大繁盛するならまだ良いですが、写真業界のマーケティングやビジネスの思想込みでホームページを構築できる業者などまず居ませんでした。 彼らはあくまでネット技術屋さんなのですから当然です。サイトを納品してメンテナンスすればほぼお役目終了。商用サイトとしての繁盛はサイト保有者側の腕前次第と割り切っています(ただし、最近は納品先の業種について研究もするHP作成業者が出てきています。どの程度まで研究できているのかが問題ではありますが、この変化、当然の傾向かとは思います。でも世の中のメジャー級業種ならまだしも、写真業まで踏み込んで研究してくるかは疑問です)。

 

こうした状況の中ですから、CMSの平易な技術が脚光を浴びるのは当然と言えましょう。なぜなら自分でサイトを作れることは費用面のメリットだけでなく、自分で商売をコントロールできる利点もあるわけですから。

 

現在、このCMSの技術を提供している会社は日本国内だけでも20社以上にまで増加し、今後も増え続けるだろうと予測されています。これは最近良く聞く 「クラウドコンピューティング」という技術がその土台になっており、サイト作成業界は価格破壊が急速に進んでいます。

 

IT業界の栄枯話はこれくらいにして、特に商用HPにとって大事なのは「自分で構築/更新する」という点ですから、CMSのような誰でも即時に簡単に扱えるサービスでないとダメなんです。CMSでようやくホームページは普通の技術になったといっても過言ではないほどです。現に、大企業のサイトは表面上は何 も変化していないように見えますが、そのほとんどは従来の閉鎖系HTMLサイト(専門者しか編集できないもの)から、オープンなCMS型(誰でもいつでもどこでも編集型)に移行が終わったそうです。詳しくはコチラの「CMSまとめサイト」にも記述しています。

 

このように今やホームページは自分で簡単に作成できる時代に既になっています。ある程度見栄えのするサイトデザインも簡単に実現できます。閲覧者がHP内で迷子にならないような、いわゆる「ユーザビリティ」も、CMSサービス内に標準機能で最初から備わっています。SEO対策(検索エンジン上位表示技術)も基本的に織り込み済みです。 とにかくすべてがカンタンなんです。

HTML言語だとかCSSだとか、とにかく難解な要素は「知識として知っているだけでいい」というレベルにまで後退しました。これだけ便利になるとはもはや革命的と言えるほどです。

↓当社イチオシのCMSサービス「Jimdo(ジンドゥ)」